心の羽根<見たい映画覚え書き:2>

p_01.jpg

2003年/ベルギー=スランス合作映画/上映時間110分
[配給] オフィスサンマルサン


ベルギーの小さな町ジェナップ。ブランシュは夫ジャン=ピエールと息子アルチュールと仲睦まじく暮らしていた。ジャン=ピエールが働く製糖工場ではリストラの噂があったが、親子で過ごすひとときがブランシュの心を幸せにするのだった。
ある日、幼稚園で絵を描いていたアルチュールは、ブランシュが目を離したすきに、ひとり町に出てしまう。上空に現れた渡り鳥の群れを追うように。会う人たちに挨拶をしながら歩き続けるアルチュール。やがて製糖工場からの排水が注ぐ沼地にたどり着き、そのまま消息を絶った。

鳥たちのえさ場となっている沼地には、今日もバード・ウォッチングに没頭する若者フランソワがいた。そして、彼はアルチュールが持っていた恐竜のおもちゃを発見する。
アルチュールの死が確認された後、ブランシュは現実を受け入れることができずにいた。そして、沼地をさまよううちにいつしか息子の幻影を見るようになる。毎日のように沼地にやって来る彼女を遠くから見つめるうちに、フランソワは次第に彼女に惹かれていく……。